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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第63章
ヴィヴィはシーツを掴んだ両手で、何とか匠海から逃れようとするのだが、腰の下からその剛直で貫かれ、お尻も掴まれている状況からは、まったく歯が立たず、もう口だけで対抗するしかない。
「なんてこと言うんだっ!? そんな口汚い事をいう口は、こうしてやる」
匠海はそう憤慨したように言うと、ヴィヴィの後孔に指先で触れた。
「ひぃっ!? いやぁあああっ!!」
ヴィヴィが死にそうな悲鳴を上げる。
(そこ、ちがうっ く、口じゃないでしょうっ!?)
そう当たり前のことを心の中で突っ込みながらも、何故かヴィヴィの躰全体はびくびくと震え始めた。
「あれ? なんか、ヴィクトリアの膣内、ここ触ったらぎゅうぎゅう締め付けてきたけど?」
匠海が面白そうにそう続ける。
「もう一回、触ってもいいか?」
「ダメっ!! 絶対に駄目っ!!!」
(っていうか、パリでも翌日の朝に触ったじゃないっ! ヴィヴィ、あんなに嫌だって言ったのにっ!!)
ヴィヴィは断固として、後孔に触れられることを拒否する。
そしてもうこの体位にいっぱいいっぱいのヴィヴィは、匠海から自分の後孔が丸見えという今の状況に気付けていなかった。
「え~。もし触ったら、どうする?」
匠海は何故か駄々っ子の様な物言いで、ヴィヴィに尋ねてくる。
(甘えん坊は甘えん坊でも、こんなのはいやだよ~っ!!)
「な、泣く……」
「え?」
ヴィヴィのその短い返事に、匠海が聞き返す。
「ご、号泣してやるぅ~っ」
もう既に泣き声のヴィヴィは、恨めしそうにそう言って唸った。
「それは、やめて。俺……、ヴィクトリアの泣き顔に弱いみたいだから」
(じゃあ、今すぐやめてくださいっ!!)
ヴィヴィのその心の声が通じたのか、匠海はやっと諦めてくれたみたいで、腕を伸ばして愛おしそうにヴィヴィの頭を撫でてくれた。
「悪かった。ヴィクトリアがあまりにも可愛いから、虐めてみたくなった」
「………………」
(……だから、そう……簡単に『可愛い』って言わないで……。
勘違いしちゃう……)
「ヴィクトリア? 怒ったのか?」
急におとなしくなってしまったヴィヴィに、匠海が少し心配そうな声で尋ねてくる。