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第63章 　 　 　　　

「怒って、ない……。でももう、金輪際、後ろから、やだ……」

　ヴィヴィはそう言うと、もはやくしゃくしゃになったシーツの上で頬を膨らませる。

（っていうか、この格好、恥ずかしいから、もう離してほしいんですけど……っ）

　匠海にお尻を突き出して、腰を高々と持ち上げて、まるで自分からおねだりしている様なこの格好に、ヴィヴィは今更ながらに羞恥を覚え始めた。

「え……。それはまずい。じゃあ、この体位がどれだけ気持ちいいか、体感してもらわなければ」

「……え……？　い、いやぁっ！」

　匠海の恐ろしい言葉に、ヴィヴィは悲鳴を上げる。

「まだ、怖い？」

「怖くはないけど、恥ずかしいのっ！！」

　そう言って躰を捩って逃げようとするヴィヴィは、先程までの濃密なセックスをしていた人物と、同じ人間であるとは思えないほど子供っぽかった。

「馬鹿だな、ヴィクトリア。セックスっていうのは、恥ずかしさを共有するものだろう？」

　匠海がそうヴィヴィを諭すように囁きながら、妹の背中を優しくさする。

　その言葉に、ヴィヴィはきっと匠海を振り返って下から睨み上げた。

「ヴィヴィ、お兄ちゃんの恥ずかしいところなんて、１個も見たことないですけどっ！？」

「そうだったか……？」

　おや、おかしいな？　と続けた匠海は、何故かゆっくりと腰を動かし始めた。

「や……めてっ　待って……っ　ふぁあっ」

　ヴィヴィが声で匠海を止めようとするが、兄は聞く耳を持たず、どんどん速度を速める。

　匠海の腰を後ろ向きに跨らされ、その両太ももを大きな掌にがっちりと掴まれた状態で、下から自分の膣内を深く貫かれる。

「ぁああっ　や、やめてぇっ　あっ　ぁあっ　はげしぃっ　あ、こ、こわれちゃうよぉっ」

　兄が下から腰を突き上げるたびに、妹の小さな双丘が跳ね上がるほど激しい攻めなのに、ヴィヴィからは匠海が見えず、目の前に広がるシーツに縋り付いて、与え続けられる強すぎる快楽に耐えるしかない。

「ヴィクトリアっ　すごい……っ　物凄く、締まってるっ」

「いやぁあっ　お兄ちゃんっ　ぁあんっ　ヴィヴィ、おかしく、なっちゃうっ　ひぁああっ！？」