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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第64章        

「んっ 見られなくても、恥ずかしいよ……」

 ヴィヴィは唇を窄めてそう言ったが、匠海に一笑に付されて終わった。

 匠海は自分の股の間に入れていたヴィヴィから躰を離し、ざばっと水音を立てて立ち上がった。

「髪の毛、洗ってやる」

「え? あ、えっと、自分でやるよ……?」

 胸の下まである自分の髪を洗うのは結構大変だろうと、ヴィヴィは断ったが、

「洗いたい」

「じゃ……、じゃあ、お願いします」

(どうしたんだろう、急に……?)

 匠海はヴィヴィを足だけ湯につけて、バスタブの縁に座らせると、後ろからシャワーで髪を濡らしていく。

 シャンプーを手に取り、優しい指使いで頭と髪を洗ってくれる匠海に、ヴィヴィは

「なんか、ワンコにでもなった気分」

と呟く。

「そう?」

 匠海はそう短い返事を返しながらも、なんだかとても楽しそうにヴィヴィの髪を洗っている。

(そういえば、お兄ちゃん。葉山の海でデートした時、『俺、犬飼いたいんだよね』って言ってたな……)

 ヴィヴィは思い出し笑いをすると、バスタブに両手をついて、お湯の中の足をぱちゃぱちゃと掻き回す。

「金髪だから、ゴールデンレトリバー?」

 そうヴィヴィが尋ねると、

「いや、スピッツだろ」

と匠海に速攻否定される。

「どうして?」

「キャンキャン、よく鳴くから」

 匠海のその返しに、ヴィヴィが頬を膨らます。

「……むぅ……」

 そう唸ったヴィヴィの頬を、匠海が後ろから面白がって指先で押して凹ませてくる。

「ま、いいや~。髪洗ってもらうの、気持ちいい~」

 目を瞑ってそう幸せそうな声を発したヴィヴィの髪を、苦笑した匠海が洗い流してくれた。

 湯の中に戻ってきた匠海に、ヴィヴィが、

「お兄ちゃんも髪、洗ってあげる!」

と嬉しそうに言い募る。

「えぇ~……。ヴィクトリア、下手そう」

「丁寧に洗うからっ お願いっ!」

 目の前で両手を合わせて頼み込んでくるヴィヴィに、匠海が笑う。

「はいはい。でも前から洗うんだよ?」

 匠海のその注文に、ヴィヴィが慌てふためく。

「え? や、やだよ。恥ずかしいもんっ」

(前からだなんて、胸とか、めちゃくちゃ見られちゃう……っ)

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