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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第64章        

「駄目だ。前から」

 バスタブに腰を下ろした匠海は、そう言って譲らなかった。そして、

(お、お兄ちゃんの……ずっと、元気だな……)

 ヴィヴィはどうしても視界に入ってしまう匠海の逞しすぎる昂ぶりに、頬を赤らめる。

「目……つむっててね?」

 ヴィヴィがおずおずと交換条件を口にすると、匠海は「ああ」と答えてすぐに目を閉じてくれた。

「ぜ、絶対だよ?」

「ああ。俺がヴィクトリアに嘘をついたこと、あったか?」

「な、ない……」

 ヴィヴィは匠海の顔の前で手を振ってみるが、ちゃんと瞼を閉じているようで反応はなかった。

 シャワーを捻って心地よい水圧で匠海の髪を濡らすと、シャンプーを手に取って泡立て、恐る恐る兄の髪を洗い始めた。

「つ、強すぎない?」

「とても気持ちいいよ」

 目の前の匠海が小さく笑いながら返してくれる。ちゃんと瞼も閉じていてくれている。

 泡立ちのいいシャンプーで、優しく頭皮を洗うと、かなりのもこもこ加減になってきた。

 ヴィヴィは悪戯を思いつき、くふふと笑いながら手を動かす。

(ソフトクリーム……でしょ? ワンちゃん……に、ミッキー……♡ 可愛い~)

 匠海の髪で泡を形作って楽しんでいたヴィヴィに、気付いたらしい匠海が、

「お前……人の髪で遊ぶなよ……」

と呆れたように指摘してくる。

「なんのこと~?」

「とぼけるな」

 そう言った匠海は、目の前のヴィヴィに手を伸ばしてきた。

 目をつむったまま細い腰を手探りで探し出して掴むと、もう片方の掌でその下のお尻を撫でられる。

「きゃっ!? だ、ダメっ」

「ほら、ちゃんと髪洗って」

「む、無理だよぉっ」

「ちゃんと指の腹で頭皮洗って、ほら生え際とか」

「え~……、は、生え際ね……?」

 匠海の指示に必死に従うヴィヴィだが、一方の兄は妹に触れる手を止めない。

 両手で白くまろやかな双丘を撫でていたかと思うと、掌全体で揉み込みはじめる。

「あっ ダメっ お、お兄ちゃんの、嘘つき~っ」

 ヴィヴィはくすぐったそうに身を捩りながらも、泡々の両手のために抵抗できない。

「目は開けてないから、嘘つきじゃない」

 匠海はしれっとそう言ってのけると、片方の手でお尻を鷲掴みにして固定し、もう片方の手で前からヴィヴィの秘所を探ってきた。

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