この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第65章        

 次はこのプログラムの最大の見せ場、緊張と緩和を繰り返すステップシークエンスだ。

(ええと、RFOロッカーにRBOカウンターにRFOツイズル。……RFIブラケット……RBIループ……LFIブラケット。LFIブラケットとLBOカウンターにLFOツイズル。……RFIロッカーにRBIカウンターにRFIツイズル。……最後はLFOループ。よっし、決まったっ!)

 興奮していくトロルを現すかの如く、長い両手足を限界まで遠くへと伸ばす、印象的な振り付けと共にステップを踏み終わると、ヴィヴィは心の中でガッツポーズをする。

 怒りに任せ長い足を後ろに蹴り上げたと思えば、その動きは波動のように上半身へと伝達し、やがて失望したかのように弛緩する。

 チェンジフットコンビネーションスピンの最後、ビールマンポジションを解くと、両手で掻き毟る様に頭を抱え、全ての感情を爆発させるよう、その腕を振り下ろしてのフィニッシュ。

(ヴィヴィ、やってやりました――っ! まあ、ちょっとスピンで、ぐらついたけど……)

 会場内を埋め尽くす大観衆からの、割れんばかりの拍手に、ヴィヴィは興奮そのままに両腕を突き上げた。

「やった、やった~っ!!」

 そう言いながらリンク上でぴょんぴょん跳ねて喜びを露わにするヴィヴィの元には、沢山の花とプレゼントが投げ込まれる。

 礼を終えたヴィヴィは、次の滑走者の迷惑にならないように、フラワーガールと一緒に花を掻き集めると、コーチ達の元へと戻っていく。

 その視線の先、ジュリアンのげんなりした顔と、クリスの苦笑を見て、

(あ……キス&クライ……行きたくないな……)

 先ほどまで満面の笑みを浮かべていたヴィヴィの表情が、即座に引き攣ったのだった。






 翌日のFPも3回転アクセルと2本入れる構成で、全く危なげなく滑りきったヴィヴィは、クリスと並んで全日本選手権3連覇を達成した。

「見事、全日本選手権3連覇を果たした篠宮兄妹にお越し頂きました。本当におめでとうございます!」

 12月24日。

 前日まで繰り広げられた熱い国内予選を突破した双子は、某テレビ局のスタジオにお邪魔していた。

「「ありがとうございます」」

 スケ連のエンブレムの付いた黒のジャケットと黒のパンツを纏った双子は、声を揃えて女子アナにお礼を言う。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ