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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第65章
「ふぁっ あ、待って……っ お、お兄ちゃんっ!?」
ヴィヴィは自分のナイトウェアを押し上げて、躰の中心に口付ているその人に、待ってくれるよう懇願した。
けれど匠海は一向にヴィヴィの言うことを聞かず、ぴちゃぴちゃと卑猥な音を立てて妹の秘めやかなそこを舐め続ける。
「あ、ぁあんっ お、お兄、ちゃんっ 待って……っ」
ヴィヴィは起き抜けのその行為に混乱したように、シーツを握りしめながら、必死に懇願する。
「ん……? 気持ちいいだろう?」
やっと唇を離してくれた匠海に、ヴィヴィは はぁと息を吐き出し、強張っていた躰の力を抜いた。
(凄く……、すごく気持ちいい、けれど……っ)
「待って……、お、お願い……」
そう弱々しく呟くヴィヴィに、匠海が上体を起こし、シーツの上に躰を横たえている妹の顔を覗き込んでくる。
「……どうした?」
匠海は泣き出す一歩手前のヴィヴィの表情を確認し、不思議そうに尋ねてくる。
「……ぎゅって、してくれなきゃ……や……っ」
「え?」
ヴィヴィのその幼い物言いに、匠海がきょとんとした表情で、瞳を覗き込んでくる。
「ぎゅって、して……? エッチより先に、ヴィヴィの事、抱きしめて……?」
「ヴィクトリア……?」
「だって……」
ヴィヴィはゆっくりと、上に覆いかぶさった匠海に細い腕を伸ばす。
「だって、やっと会えたんだもん……っ」
そう涙ぐみながら呟いたヴィヴィに、匠海は一瞬躊躇したように止まったが、すぐにその華奢な躰を抱き上げて自分の胸に囲い込んだ。
ベッドの上に座り込んだ匠海に、ヴィヴィは必死に縋り付く。
そんな妹を宥める様に、匠海はその頭と腰に大きな掌を添え、ぎゅうと強く抱きしめてくれた。
(ああ、お兄ちゃんだ……っ
広くて逞しい胸も、優しく撫でてくれるこの大きな掌も、
ヴィヴィの理性なんてすぐに、溶かして葬り去ってしまう、この匂いも……っ)
ヴィヴィは匠海の腕の中で、兄の全てを五感をフルに使って感じ取りながら、歓喜に打ち震えた。
細かく震えていたヴィヴィの躰が落ち着きを取り戻した頃、匠海はその耳元でふっと笑った。