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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第65章
「お、大きくなってからは、言われてないのっ!! か、可愛くなくなったからっ!」
(ちぇ……。こんな事、わざわざ、言わせないでよぅ……)
心の中でそう拗ねながらも、ヴィヴィはしょうがなくそう説明する。
「散々言われてると思うけど? 俺の周りもいつも『可愛いかわいい』言ってるぞ?」
匠海がふと真面目な表情になり、そうヴィヴィに伝えてくる。
それが一番恥ずかしいヴィヴィは、
「も~っ!! この話題はおしまいっ!」
そう叫ぶように話題を打ち切ると、匠海の唇を自分の薄いそれで奪った。
何度も角度を変えてお互いの唇を啄んでいた兄妹だったが、ヴィヴィが匠海の唇の隙間から自分の舌を捩じ込んで、兄の舌を舐めた途端、
「ふぅう……っ!?」
そう呻いたヴィヴィは、ぱっと匠海から唇を離した。
「ふ……っ だから、キスは駄目だって言ったのに」
匠海は苦笑してそう言うと、目の前のヴィヴィの両頬を指先で抓った。
「いたた……。って言うか、よっ、酔いそう……! お酒、どんだけ飲んだの……?」
(酒臭くはないけど、お酒の味のチューです……っ!!)
ヴィヴィはそのアルコール度数の高さに、くらくらしながら匠海に問う。
「シャンパン1本に、赤ワイン1本……かな? ああ、後、ブランデーも……」
視線を上に向けて思い出しながらそう呟いた匠海に、ヴィヴィはドン引きした。
「ひ、一人で……っ!? ど、どんだけ強いのっ!?」
「それ位飲めないと、ここの家の子は務まらないよ」
そんな恐ろしい現実を伝えてきた匠海に、ヴィヴィは血の気が引いた。
「え゛ぇ……」
(ヴィヴィ、将来的にそんな酒豪になれるかなぁ……? ていうか、全くなりたくはないぞ……?)
自分の将来を案じたヴィヴィが、う~んと匠海の腰の上で唸る。
「でも、ヴィクトリアが二十歳になったら、俺は一緒にお酒飲みたいぞ?」
「ん。ヴィヴィも! お兄ちゃんに教えてほしいな~」
匠海からの嬉しい言葉に、ヴィヴィはにっこりと兄を見返す。
「ん?」