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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第66章         

「あ、ありがとう……っ」

 そう口ではお礼を言いながらも、その匠海の笑顔に何か良からぬ事を企んでいる様な空気を察知したヴィヴィは、

「じゃ、じゃあ行くね? また後で!」

と言い置いて、脱兎の如くバックヤードへと戻った。






「皆様、大変お待たせいたしました。本日のトリを飾ってくれますのは、全日本選手権2019、女子シングル金メダリスト。世界選手権2020、四大陸選手権2020の日本代表――篠宮ヴィクトリア選手です!」

 暗転の中、音楽と共に、スポットライトに照らされ現れたヴィヴィに、歓声が上がる。

 水色のワンピースに白のエプロンドレス、黒のリボンカチューシャを纏ったヴィヴィは、何かを追い掛け、背の高い草を掻き分けるように腕を動かすと、リンクの奥方向を指さして、瞳を輝かす。

 楽しそうに腕を振りながら滑り出したヴィヴィは、イーグルでリンク中央に大きな円を描き、腕を組んでコミカルに肩を上げて首をこてりと倒すと、また何かを見つけたように満面の笑みで、ステップを踏みながら走り出す。

 軽やかに複雑なステップを踏む度に、水色の膝丈のスカートと白いペチコートが翻り、黒と白の縞々タイツに包まれた足が可愛らしく蹴り上げられる。

 リンクの奥で50センチ程の白ウサギの縫いぐるみを見つけたヴィヴィは、それを拾い上げると両手を繋ぎ、その場でくるくるとツイズルで回りだす。

 そのままキャメルスピンへと移行し、器用に両手を白兎と繋ぎながら回ったかと思うと、胸にそれを抱き込んでシットスピンに移行する。

 そして軽快な音楽に乗せて助走すると白ウサギを抱いたまま、3回転サルコウを飛んでみせる。

 曲はTEA PARTYの『THE UNBIRTHDAY SONG――お誕生日じゃない日の歌』へと変わり、ヴィヴィは観客席の前へと滑っていく。

 エプロンドレスの裾をつまんで右足を引いてお辞儀をすると、白ウサギを抱きながら歌に合わせてコミカルに踊りだす。

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