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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第66章
A very merry unbirthday
(お誕生日じゃない日おめでとう!)
To me (私の?)
To who? (誰の?)
To me (私の?)
Oh, you (そうだ君の)
A very merry unbirthday
(お誕生日じゃない日おめでとう!)
To you (君の?)
Who, me? (私の?)
To you (君の?)
Oh, me (そうだ私の)
Let's all congratulate us with another cup of tea
(さあさあもう一杯 お茶で乾杯だ!)
A very merry unbirthday to you
(お誕生日じゃない日おめでとう! 君に!)
オーバーな振り付けで、両手で自分を指し示し「To me――私の?」と歌ったかと思えば、観客の一人に両手を差し出して微笑みながら「To who?――誰の?」と首を傾げる。
白ウサギに「To you?――君の?」と尋ねるように覗き込めば、目の前にいた小さな女の子に「To you――あなたの!」とセリフを言って、白ウサギをプレゼントする。
笑顔になった女の子の頭を撫でると、ヴィヴィは「A very merry unbirthday to you――お誕生日じゃない日おめでとう!」と歌って大きく両手を振って見せる。
曲は ア・エ・イ・オ・ウ(イモムシの歌)へと移る。
アラビアンチックな妖しいメロディーに乗せて、ヴィヴィがビールマンスパイラルからY字スパイラルで魅せれば、会場からほうと溜め息が漏れる。
極めつけにSPでも飛んでいる3回転ルッツ+3回転トウループを見事着氷すれば、大歓声の中、曲がメインテーマへと移行する。
左右両方から引っ張られ、引き戻されというコミカルな振り付けで弾ける笑顔を振りまけば、元気よく駆け出し200度も開脚する高いバレエジャンプをふわりと飛ぶ。
最後はフライングシットスピンから、ドーナツスピン、高速のI字スピンを回りきってのフィニッシュ。
可愛らしく裾を広げて礼をしたヴィヴィが大歓声を浴びる中、彼女を照らしていたスポットライトは消え、闇に吸い込まれた。