この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第66章         

(あ、そうか……。ヴィヴィが、スーツ姿のお兄ちゃんに見惚れちゃうみたいに、お兄ちゃんも、このヴィヴィの姿に何らかの感慨を持って見てくれていると……)

 ヴィヴィはそう少し強引に納得すると、「コスプレ好きなんだ……」と引いてしまった自分を反省した。

「ほら、ヴィクトリア、俺の事、誘惑してごらん?」

 とても楽しそうにそう言ってくる匠海に、ヴィヴィが心の中で肩を竦める。

(はぁ……。えっと……)

「ヴィ、ヴィヴィと――」

 そう言いかけたヴィヴィを、匠海が「こらっ」と言って止める。

「あんなに観客の前ではアリスになりきってたのに、なんで『大好き』な俺の前では出来ないんだ?」

「は……っ、恥ずかしさの種類とレベルが、違いすぎますっ!」

(もう――っ!! お兄ちゃん、自分がどれだけヴィヴィから好かれているか分かってるから、こんなこと言ってくるんだ。ずるい……っ!)

 そう心の中で叫んで頬を膨らますヴィヴィを、匠海が面白そうに見上げてくる。

 そして、その匠海の寛いだ表情に、やはり胸を高鳴らしてしまうヴィヴィも、ここにいて。

(は、恥ずかしいけれど、好きだから……お兄ちゃんに喜んでほしいから……)

 ヴィヴィはそう決心すると、両手で水色のスカートを握りしめ、唇を開いた。

「ア、アリスのこと……、か、可愛がって……?」

「もっと、厭らしく!」

 頑張って恥ずかしい事を口にしたヴィヴィに、匠海は容赦なくさらに求めてくる。

(うえ゛ぇ~~……)

 ヴィヴィは心の中で頭を抱えると、ぐるぐるといろんなセリフを考える。

(「えっちして?」とか? 「いっぱい出して?」とか? 「気持ちよくなって?」とか……? か、勘弁してください……)

 行為の真っ最中ならまだしも、まだキスさえしてない今の冷静な自分には、そのセリフはハードルが高すぎた。

 今更ながら、自分は結構面倒くさい人を好きになったんだなと、ヴィヴィは自覚する。

 そして惚れた弱み――とばかり、握っていた水色のスカートを指先で摘み、ゆっくりと両手で持ち上げたヴィヴィは、下半身を匠海の目の前に晒していく。

/2774ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ