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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第67章
(何……? 気持ち悪いっ なに、これ……っ?)
確実にいつもの達する感覚とは違うその刺激に、ヴィヴィは首を振る。
「お願いっ いやぁ――っ 気持ち、悪いのっ」
ヴィヴィは必死に両手で匠海の腕を掴むが、力では叶わなくて、
「やぁあっ なんか出るぅっ いやぁ……っ!!」
(おしっこ出ちゃうっ 気持ち悪いっ
止めてって言ってるのに、何で聞いてくれないのっ!?)
明らかに尿意のような感覚を匠海のその指で強引に味あわされ、ヴィヴィは悲鳴を上げる。
「いやあっ! やあっ や……っ で、でちゃうぅぅうっ!!」
しゃぁ……と何か霧のようなものが吹きだすような音と共に、ヴィヴィががくがくと震え、匠海の腕の中で脱力した。
「ああ、いっぱい出たな」
そう淡々と呟いた匠海に、ヴィヴィの小さな顔がくしゃりと歪む。
「いやぁ――っ!!」
(どうして……っ ? どうして、こんな事、するの……っ?)
顔の前で両手を握りしめヴィヴィは、ぎゅうと力を込めてこれ以上無いほど躰を縮こまらせた。
もう穴があったら入ってしまいたいし、もう誰かが殺してくれるなら死んでもいい。
そう思うほど、この羞恥には耐えられなかった。
(信じ、られない……。こんなところで、
お兄ちゃんの前で、漏らしちゃう、なんて……っ!!)
そんなヴィヴィを慰めるように、匠海が乱れてしまった金色の髪を手櫛で撫でていく。
「ヴィクトリア……。もしかして、お前これ……失禁だとか思ってる?」
上から降ってきた匠海のその言葉に、ヴィヴィがピクリと反応する。
「……え……?」
(違う、の……?)
そんなヴィヴィの顔の前の手をよけると、匠海が上から覗き込んでくる。
「これは潮吹き。女が気持ち良くなったら出るものだ。ただの体液。だからそんな死にそうな顔するな」
(体液……? いつも濡らしちゃうのと、同じ様なもの……?)
匠海の説明に納得したようなそうでないような、よく分からないヴィヴィは、当惑したように視線を彷徨わせる。
「ほら、透明だろう?」
濡れてしまった自分の手を見せた匠海に、ヴィヴィはあまりの恥ずかしさに俯いた。
「お願い……お兄ちゃん、お願いっ!」
「なに?」
俯いたままそう切羽詰ったように言い募るヴィヴィに、匠海が短く問い返す。