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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第67章         

 特に唇を食んで吸い付き舐め上げると、その傾向が顕著に感じられる。

(お兄ちゃんも、そう、思ってくれていればいいのに……)

 匠海の厚めの舌を舐め、互いの粘膜を擦り合わせていると、兄の掌がヴィヴィの躰を弄り始めた。

 小さなお尻の感触を指の腹や掌全体で感じるように揉み解されていたと思うと、その腰の細さを確かめるように、執拗に腰骨の上の皮膚を辿られる。

 そしてその上にある小さな乳房を鷲掴みにすると、ねっとりと揉み込んできた。

 外側から内側へ円を描くように優しく揉まれていたかと思うと、焦らす様に乳房の縁に指を這わせ、ふよふよと揺らされる。

 その下のあばら骨を薄い皮膚の上から指先で辿られ、ヴィヴィの腰がびくびくと震えた。

「んっ ふぅん……っ ぁんっ」

 躰への愛撫に気を取られているうちに、口付けも匠海に主導権を奪われていた。

 嚙み付くように深くまで口内を貪られ、まるで絞るように強められた乳房を揉む掌にも翻弄され、ヴィヴィは匠海の頭に縋り付く事くらいしか出来なかった。

 ヴィヴィの息が上がってきて、ようやく唇を離した匠海が、その妹の顔を覗き込んでくる。

「厭らしい顔だな、ヴィクトリア……」

 その匠海の指摘通り、もうヴィヴィの頭の中は兄に抱いて欲しいという事しかなかった。

 その気持ちのまま目の前の匠海に縋り付いたヴィヴィだったが、兄は妹の腕を解いて、自分だけ湯の中から上がった。

 とぷんとぷんと音を立てて大きく波打つ湯の水面を、ヴィヴィが膝立ちのまま濁った瞳で見下ろしていると、その金色の頭にバスタオルがばさりと掛けられた。

「呆けてないで、早く来い……」

 視界を遮られたヴィヴィはその匠海の声だけを感じ、ゆっくりとそのタオルを頭からどけた。

 ざばりと音を立てて立ち上がったヴィヴィは、そのバスタオルを胸に巻き付けバスタブから出た。

 ぐるりと広いトリートメントルームを見渡すが、そこにはもう匠海はいなかった。

 ただひとつ開け放たれた扉があり、そこへと歩み寄ると、ダブルベッドサイズのフラットなソファーの上、腰にバスタオルを巻きつけた匠海が、サイドテーブルに置かれたドリンクを飲んでいた。

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