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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第67章
「後は、自分の気持ちいいところを、俺のに擦り付けるように動けばいい」
(こんな、自分の気持ち良さだけを追い求めるみたいな……、
一人でしてるのと、何が違うの……?
ヴィヴィはお兄ちゃんにして欲しいの。
大好きなお兄ちゃんに、愛してほしいのっ)
けれどそんなことは無理だと、解っている自分もいる。
「ほら、早く」
「……――っ」
自分を追い詰めていく匠海に、ヴィヴィはもうどうしていいか分からなくなる。
苦しい。
苦しくて、苦しくて、しょうがない。
胸が。
躰が。
心が――。
そんなヴィヴィの頭を、匠海が慰めるような優しさで撫でてくる。
「ヴィクトリア、いい子だから。見ててあげるから、やってごらん?」
その猫撫で声が嘘だと痛い程分かっているのに、ヴィヴィはもう虚像にでも縋り付きたくて、甘ったれた声を上げてしまう。
「おにいちゃぁん……っ」
「ほら、ヴィクトリアの可愛らしい姿、見せて欲しいな」
「い、いやぁ……っ」
「真っ白で可愛いこのお尻振って、俺のこと、誘惑してくれないのか?」
「……――っ」
そう少し拗ねた様な声でお尻を撫でてくる匠海に、ヴィヴィの心臓がどくりと跳ねる。
「少しだけ、腰振ってみよう?
そしたら後でいっぱいヴィクトリアの中、愛してあげる。
何度だってイかせてあげる」
甘い甘い、囁きだった。
疼いた躰を持て余して狂いそうになっている自分を誘惑する、兄の悪魔のようなそれ。
ヴィヴィの自尊心が、軋んだ音を立てて崩れていく。
もう――、限界だった。
「ぁっ ……ぁあっ あっ あ~っ」
ヴィヴィは腰を下ろすようにずぶずぶと、匠海の陰茎を自分の蜜壺に受け入れた。
その細い咽喉からは、待ちわびた逞しいそれに貫かれて善がり狂う、女の嬌声が漏れる。
咽喉から手が出るほど欲しかった匠海の全てを自分の中に受け入れ、ヴィヴィががくがくと躰を震わせる。
(お兄ちゃん……お兄ちゃん……おにいちゃん……っ)
「そうだ、いいよ。物凄く厭らしい眺めだ」
匠海はそう褒めながら、ヴィヴィの腰から背中に掛けて、労わる様にその大きな掌で撫で上げてくる。