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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第68章
けれど、そんな兄よりも一番恐ろしいのは――自分の心。
(欲しいの。
それでも、欲しいの。
お兄ちゃんの心が……っ)
自分に振り向いて欲しい、女として深く愛して欲しい。だって、
貴方は私の、最愛の人――。
そんな自分が今、出来ること。
それは皆の前では、明るく無邪気なスケーターのヴィヴィを、本来の自分を、
兄の前では、彼に絶対服従の『人形』を演じること。
それしかない……兄に捨てられず、なおかつスケートを続けるには、その方法しか、ない――。
ヴィヴィは噛んでいた唇から白い歯を離すと、小さく息を吐き出し、やがて甘えた声を上げた。
「お兄ちゃん、ヴィヴィ、今日教えて貰った事、復習してみても、いい?」
恥ずかしそうに頬を染めたヴィヴィが、匠海をちらりと見つめる。
険しかった匠海の表情がふっと緩み、ヴィヴィの目尻に温かい口付けを与えてくれる。
「もちろん、やってみてごらん?」
「うん。見てて、ね……?」
そう言って、自分も匠海の目尻に薄い唇を押し付けると、兄は嬉しそうに微笑んだ。
「勿論だよ、ヴィクトリア……。お前の可愛い姿は、いつまでも見てられる」
ヴィヴィは突っ伏したままだった上半身を持ち上げるために両手をベッドに付くと、匠海に肩を支えられながら、四つん這いになった。
何故か自分に覆い被さったままの匠海に、「お兄ちゃん?」とその名を呼べば、
「もう少しお前と触れ合っていたいから、このままやってみてごらん?」
と促される。
「うん……。お兄ちゃん温かくて、ヴィヴィも気持ちいい」
ヴィヴィはそう嬉しそうに言うと、ゆっくりと収められている匠海の陰茎を抜き始めた。
「ん……っ んんっ ……ふぅ、……ぁん」
「ああ、その調子だ」
そう耳元で囁かれ、ヴィヴィの躰がびくびくと喜びに震える。
ヴィヴィはお尻を突き出すようにしながら、匠海を迎え入れていく。
イってしばらく経ったそこは、新たにもたらされる刺激に、素直に喜んでいる。
何とか深くまで匠海の陰茎を収めたヴィヴィは、ふぅと息を吐た。
「お兄ちゃんの、大きくて……、全部入れると、ヴィヴィ、おなか一杯になっちゃう」
「ふ……。俺のしか知らないくせに」