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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第69章
「お前が叫ばなければ、聞こえないだろ」
「う、うん……」
(じゃあ、叫んじゃうようなこと、しないでくれると有り難い、です……)
ヴィヴィはそう思いながらも、恐る恐る匠海のベルトに手を伸ばす。
かちゃかちゃと音を立ててそれを外すと、そこで匠海に手を止められた。
全ての衣類を脱ぎ去った匠海は、ヴィヴィに手を伸ばしてきた。
ロングキャミソールを脱がせ、ヴィヴィを白いブラとショーツだけにすると、そこで手を引っ込める。
「自分で脱いで見せて。もちろん、俺を誘惑しながらな」
「え……」
匠海からの突然の命令に、ヴィヴィの目が点になる。
(ゆ、誘惑……? そう言えば、昨日は下着付けてただけで怒ってたのに……。
と、とにかく、少しでも色っぽく見えるようにしなきゃ――)
ヴィヴィは一瞬の逡巡の後、両手を背に伸ばすと、ブラのホックを外す。
ふわと胸から外れそうになるカップを乳房の上から両手首で止めると、ゆっくりと細い肩から肩紐を抜き取っていく。
匠海がじっと自分を見下ろしていることを確認したヴィヴィは、わざと乳房を中心に寄せて谷間を作ってみる。しかし、
(で、出来てない……谷間……)
無いものねだりをしてしまった馬鹿な自分に肩を落としながら、そっとカップを取り除くと、ふるんと形の良い白い乳房が腕から零れ落ちた。
「お、お兄、ちゃん……?」
(誘惑、出来た……?)
ヴィヴィが恐る恐る匠海を見上げると、兄は満足そうに微笑みながら頷いた。
「とても可愛いよ、下も脱いでごらん?」
「ん……」
ヴィヴィは頬の熱さを感じながら、腰に指先を伸ばし、両脇からショーツを指先で摘まんだ。
少しでも綺麗に見えればと思い両膝を少し右に傾けると、ショーツを下げていく。
腰を少しずらしてお尻からそれを抜き取り、ゆっくりと足を抜こうとしたヴィヴィを、匠海が手で遮って止めた。
「……きゃっ!?」
匠海はヴィヴィの両膝の後ろに片腕を入れると、ぐいと持ち上げ両脚も洗面台の上に乗せてしまった。
「こっちのほうが、そそるだろう?」
「…………えっち」
ヴィヴィはそう恥ずかしそうに呟くと、まだショーツを纏ったままの秘所から、折り曲げた膝のほうへとそれをずり上げていく。