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第69章 　 　 　　　　　

「見ててあげるから、俺のこれでイってごらん？」

「え……？　は、恥ずかしいよっ」

　匠海のそれを握りしめて擦り付け、自分だけ達してしまうなど、まるで兄の前で自慰を見られているようなものだと、ヴィヴィは眉を寄せる。

「でもヴィクトリアの可愛らしくて一生懸命なところ、見たいな」

　目と鼻の先でそううっとりと囁かれては、ヴィヴィの心も揺らぐ。

（ずるい……お兄ちゃん、ヴィヴィに『可愛い』って言えば、何でもやるって思ってるっ　）

「……一緒に、イってくれる？」

　それだったら、少しは恥ずかしさと罪悪感も薄れるかもしれない。

「それはヴィクトリアの頑張り次第、だな」

「ん……。じゃあ、一緒に気持ち良くなって？」

　ヴィヴィは「自分はこんなにも、恥ずかしいんだよ？」と主張するように、熱くなった頬を匠海の冷たい頬に押し付ける。

　そしてその頬と唇を軽く啄むと、また視線を二人の性器へと戻した。

　匠海にも気持ち良くなって欲しくて、ヴィヴィは竿の後ろに添えていた掌をゆっくりと滑らせる。

　すべすべとした肌触りが気持ちいい。

　先の亀頭にも指先を這わす。

（あれ……先っぽってこんなに柔らかかったんだ……。いつも、中で感じるときは、凄く硬く感じたのに）

　自分に擦り付けるのも忘れ、匠海の逞しいそれを見つめて触れていると、上から苦笑が降ってきた。

「こら。おもちゃじゃないんだぞ？」

「あっ　ち、違うの。……いつもヴィヴィの中で、お兄ちゃんのここが、可愛がってくれてるんだなと思って……」

　恥ずかしそうにそう釈明したヴィヴィの耳元に、匠海が囁いてくる。

「じゃあ、早くヴィクトリアの中、可愛がりたいから、大きくして？」

「うん。……あっ　……ぁんっ」

　ヴィヴィは頷くと、自分の濡れたそこに匠海の昂ぶりを擦り付けるのを再開した。

　膣口に擦り付けると、当然その上にあるクリトリスも擦れてしまう。

「んっ　ぅん……っ　ぁあっ」

「可愛らしい声聞きたいけれど、我慢しような」

　匠海のその忠告に、ヴィヴィは頷き歯を食いしばる。