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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第69章          

「う、うん。おやすみなさい」

「お休みなさいませ」

 その朝比奈の就寝の挨拶の数十秒後、静かに扉の閉じられる音がした。

「ふ……、ふぁあ~~……っ」

 ヴィヴィは張り詰めていた糸が切れたように急に脱力し、目の前の匠海の肩におでこを乗せた。

 そんなヴィヴィを慰めているのか、よくやったと褒めてくれているのか、匠海がぽんぽんと頭と背中を撫でてくれた。

「ご、ごめんなさい……。朝比奈に『30分後に起こしに来る』って言われてたのに、忘れてた……」

(っていうか、そう言われた時、もう80%くらい夢の中にいたや……)

 おでこを押し付けたままそう謝罪するヴィヴィに、匠海がふっと苦笑する。

「お前……。朝比奈に答えてる間、これ、ずっと握ってたな?」

「え……?」

 ヴィヴィは匠海の指摘の意味が分からず、ゆっくりと顔を上げる。

(これって……?)

「俺のこれ……そんなに離したくなかったのか?」

「えっ……!? あ、ご、ごめんなさいっ」

 ヴィヴィは匠海の陰茎を両手で握り締めていた。それもかなり強めに。

 驚いて両手をばっと離したヴィヴィは、泣きそうな顔で匠海に謝罪した。

「朝比奈と喋ってる間も、ここ、ひくついてた」

 匠海はそう言いながら、自分で竿を握り、亀頭の先でヴィヴィの膣口をくすぐってきた。

「……だ、だって……」

「だって?」

「早く、欲しいんだもん……っ」

(でもさすがに、朝比奈と喋ってる時は、欲しくはなかったよ?)

 ヴィヴィは、そう心の中で言い訳する。

 そんな妹の薄い唇をちゅと吸った匠海は、優しいのに少し意地悪という、ヴィヴィからしたら悶絶しそうな素敵な表情で囁いてきた。

「悪い子だ。じゃあ、自分で入れてごらん?」

 大きめの唇がにっと笑みの形を形作り、切れ長の灰色の瞳が細められる。

「うん……っ」

(やっぱり、お兄ちゃん、かっこいい……っ

 本当は凄く恥ずかしいけれど、頑張ってお兄ちゃんに褒めてもらいたいっ)

 兄に見惚れたヴィヴィは、頬を染めながらも、両手を匠海の昂ぶりへと這わせた。 

 数度自分の秘裂に匠海の長い陰茎を擦り付け、乾き始めていたそれに自分から溢れ出る蜜を纏わせる。

 陰茎を右手で握り、左指で自分の秘唇を広げると、匠海の亀頭の先をそこに押し付けた。

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