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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第69章
そしてこんな突拍子もない質問に、真面目に答えてくれる。
「え、味……? そうだな……、甘酸っぱい? ああ、花の蜜みたいな感じかな……?」
「ふうん……。甘酸っぱい……か」
(それって一応甘いんだし、しょっぱいって言われるよりは、マシなのかな……?)
ヴィヴィは心の中で首を傾げながらも、匠海の中指の先に舌を巻き付け、唇を窄めてちゅっと吸った。
「ヴィクトリアは小さい頃から、花の蜜みたいな甘い香りがしてたから、舐めてもその通りの味がするよ」
そう言って腰の動きを再開した匠海に、ヴィヴィの躰はあっという間に昇り始めた。
ヴィヴィが舐めていた左手をそっと取り上げられると、クリトリスに添えられる。
「あぁああんっ だめぇっ それっ すぐ、イっちゃうっ!」
ヴィヴィが躰を捩って匠海を止めようとするが、兄はさらに強くクリトリスを擦ってきた。
「いいよ、一緒にイこうっ お前の舐め方、エロくて、俺も我慢、出来なくなったっ」
匠海はそう言うと、本当に余裕のない腰使いでヴィヴィを追い立てた。
「あっ 一緒にっ あぁっ ひ……ぅっ!? ひゃうああああっ!!」
「ヴィクト、リアっ ――っ」
腕を伸ばして縋り付くヴィヴィを、匠海がその胸に迎え入れ、ぎゅっと抱き寄せてくれる。
「……っ お兄ちゃ……っ 大、好きっ」
奥に匠海の熱を感じながらそう夢見心地で呟けば、さらにその細い躰はぎゅうと抱き込まれた。
そのまま数分、呆けたように弛緩していたヴィヴィは、気付くと匠海の腰の上に跨らされていた。
ようやく自分に焦点を合わせたヴィヴィに、匠海が苦笑しながら小さなキスを落としてくる。
「もう、やめておくか?」
ヴィヴィの頬を両の掌で包み、匠海がその瞳を覗き込んでくる。
「……やぁ……。明日、っていうか、今日……、お昼からの練習、だから……」
ヴィヴィは泣きそうな声を上げ、瞳でも兄に縋り付いた。
「じゃあ、朝はゆっくり出来るんだな?
元旦だし、ギリギリまで、一緒に寝ていようか」
そう言ってとても嬉しそうな顔をした匠海に、ヴィヴィははっと躰を強張らせた。
「………………」
飴と鞭――、その天国と地獄の境界線で翻弄され、だからこそより一層、自分は匠海に惹かれ、のめり込む。