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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第69章
そう――、『飴』を与える兄は、自分を溺愛してくれる。
それは余りにも享楽的で、単純な自分は偽りと分かっているのに、すぐに踊らされてしまう。
離れたくない。
傍にいたい。
一つになりたい。
兄のこれ以上ないほどの昂ぶりも、熱い舌も、
自分を抱きしめてすっぽりと隠してしまえるその逞しい躰も、絡ませた指も、
それら全てを受け止め、「これは愛情」と錯覚させられながら、
もう本当に、このまま息絶えてしまいたい――。