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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第70章          

 ヴィヴィの背を支えていた匠海の腕が、ゆっくりとヴィヴィの胸の上を撫で始めた。

(ダメ……触っちゃ……、だめ……)

 ヴィヴィは自由な両手で兄を止めようとしたが、匠海のその掌の動きが優しすぎて、愛撫とも少し違う感じもして、強引に止める気にもなれず、戸惑うばかり。

「……んっ ふぅん……、んっ」

 匠海の口付けに翻弄されたヴィヴィは、気が付けば両手で兄の胸に縋り付いていた。

「ヴィクトリア……胸だけ、可愛がらせて?」

 ヴィヴィの額に唇を付けながら、熱い息と共にそう言葉を零した匠海に、

「……胸……だけ? え、えっちな事、しない……?」

とヴィヴィは恐る恐る確認する。

「しない。いい?」

「ん……」

 触っていいと言うのもなんだか恥ずかしくて、ヴィヴィは小さく頷く。

 匠海はヴィヴィの背を支えている腕と空いた手の両方で、妹の着物の胸に触れてきた。

 最初は着物の柄を愛でる様に上から撫でていただけだった掌は、やがてゆっくりとその上から揉み始めた。

「ヴィクトリア、下着、付けてる……?」

「う、うん……。朝比奈に着付けて貰うのに、下着付けないの恥ずかしいから……」

 ヴィヴィのその答えに、匠海は「ふうん」と短く答えると、着物の合わせ目から指を忍ばせ始めた。

「え……、着崩れちゃう……」

 この後、朝比奈に手伝って貰って脱ぐ筈なので、その時にバレやしないかと、ヴィヴィは気になり口にした。

「大丈夫、これくらいなら、朝比奈にもばれないよ」

「ほ、本当……? ぁん……っ」

 ブラ越しに乳房を揉まれ、ヴィヴィが甘い吐息を漏らす。

「ああ……、ヴィクトリアの胸は、柔らかくて気持ちいい」

「ち、小っちゃいけど……」

 貧相な胸で申し訳なくてそう言ってしまったヴィヴィに、匠海がちゅっとキスしてくれる。

「馬鹿……、可愛いよ」

(――っ もう、これ以上、ドキドキさせないでっ 着物の襟から手、入れられるの、なんか凄く、えっち……っ)

 ヴィヴィが一人でときめいていると、匠海がブラの中にまで指を忍ばせてきた。

「あっ!? だめっ ぁあん……っ」

 固く襟を閉じている着物の奥に忍ばされた掌が、ヴィヴィの柔らかな乳房に這わされ、そしてその先端を指で押しつぶした。

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