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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第70章          

「駄目? でも胸しか触ってないよ?」

「だ、だめ……っ こ、声、出ちゃうっ」

 ヴィヴィは必死な顔で匠海を見上げ、そう訴える。

「じゃあ、俺の指、舐めて?」

 そう言って優しく含まされた匠海の中指に、ヴィヴィは縋る様な思いでちゅっと吸い付いた。

「ん……っ ふぅん……、ん……」

 ヴィヴィの胸を柔らかく揉み解し、立ち上がった乳首を摘ままれ、指先で優しく転がされる。

 その度にヴィヴィの躰がビクビクと震え、その両手は必死に匠海の着物の襟に縋り付いている。

 声が漏れそうになる度に兄の指に吸い付いていると、匠海が苦笑しながら顔を近づけてくる。

「赤い顔して、可愛いよ、ヴィクトリア」

(やぁ……、恥ずかしいから、見ちゃダメ……っ)

 胸への愛撫だけで乱れてしまう自分が恥ずかしくて、ヴィヴィは兄から視線を逸らす。

「黒地の着物って、いいね……。ヴィクトリアの肌の白さが際立って、ついつい手を伸ばしてしまう」

 そう囁いた匠海は、ヴィヴィの口内に収めていた指を抜き取ると、その手できつく巻かれた帯の下、ぴっちりと着付けられた着物の裾を肌蹴させていく。

「お兄ちゃん……? だ、だめ……っ」

 黒地に牡丹や鶴が鮮やかに染められたその着物の下、白い襦袢が露わになり、匠海はその下に掌を這わせ始めた。

 兄の掌は襦袢の下から露わになった膝頭を撫でていたが、それは焦らすようにゆっくりと、ヴィヴィの太ももの内側を撫で上げ始めた。

「んんっ!? あっ だめっ!」

 敏感な足の付け根の辺りを撫でられ、ヴィヴィが咄嗟に自分の足をまさぐる匠海の腕を、両手で握りしめて止めた。

「ああ、お口が寂しいか? じゃあ、キスしようか」

「ちが――っ んっ ふぅ……んっ」

 右手で胸を揉まれ、左手は裾から忍ばされて脚を撫で上げられ、唇には痺れるほど甘い口付けが与えられ。

(だめ……、気持ちよく、なっちゃうっ もうこれ以上、脚、触らないで……っ)

 匠海の腕を両腕で掴んでいるのに、気持ちよくて力が入らない。

 その兄の手はどんどんと妹の躰の中心へと這い上がり、とうとう指先が柔らかいショーツに包まれたそこへと到達し、その脇から指を忍ばせた。

 くちゅ。

 寝室に濡れた水音が響き、ヴィヴィがびくりと躰を震わせる。

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