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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第13章
なんとか納得したらしい双子にジュリアンはそう言うと、この話を打ち切った。
そして双子の後ろに控えていた朝比奈を手招きすると、朝比奈は手にしていたiPadをそれぞれ双子に渡した。
「そして二つ目のお知らせは、じゃ~ん、双子のホームページが開設されました!」
画面に映し出されたものに、双子は灰色の目を剥き、声にならない悲鳴を上げる。
「「―――っ!?」」
☆クリスとヴィヴィの☆Twinkle☆ICE☆
ホームページを開くと自動で音楽が流れるようになっているようで、iPadからは「Twinkle Twinkle Little Star~♪」と激甘すぎるBGMが流れてくる。
(ひぃ~~っ!!)
トップ画面の写真も、いつ撮ったんだと思うような双子の笑顔でのスナップが、キラキラの星で装飾されて飾られている。
さらに極めつけは――、
「ちょ、ちょっと待ってよ! ヴィヴィ、こんなの書いた覚えないっ!!」
ヴィヴィは画面とジュリアンを交互に見ながら喚く。
『HI! VIVIです♡ 今日は学校で先生に授業中に私語してるの注意されて超BLUEだったのに、リンクでもママに駄目だしされて、凹みまくり~(´3`)boo』
「こんな頭悪そうなこと、ヴィヴィ書かない!」
顔を真っ赤にして反論するヴィヴィに、ジュリアンがしれっと言ってのける。
「そりゃそうでしょ、マネージャーが書いてくれているんだもの」
「んな゛…………っ!」
絶句したヴィヴィの隣で、クリスも画面を睨み付けて固まっていた。
その画面にはクリスの日記が表示されている。
ヴィヴィはどうしたのかと隣から覗きこんだ。
『今日、ボクの前髪めっさ決まってた。試合中も髪型直しタイムとかあればいいのに』
と、普段のクリスなら絶対に思いもしないことが書かれていた。
あまりのショックに、クリスは絶句したままびくともしない。
「い、いい加減にしてよマム! こんな嘘ばっかり公表したら、見つかった時に大変なことになるよ! っていうか公表してるこの時点で、もう終わってる!!」
ヴィヴィ達がこのホームページをネット上で見ているということは、双子のホームページを赤の他人にも既に見られているという状況なのだ。
血の気が引いていく双子の前でジュリアンが足を組み替える。