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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第13章
「え~でも、もう開設しちゃったしな~。創るのに結構お金掛かってるんだからね、これ」
「「―――っ!?」」
(誰もHP創ってなんて頼んでませんっ!!)
もはや開いた口が塞がらない双子は、どうやったらジュリアンの暴挙が止められるか必死で考えた。
その結果――、
「わかった! わかった、書くから! せめて自分の言葉で書かせてぇ~っ!」
隣のクリスがぶんぶんと頷いて同意した。
「しょうがないわね。本当はTwitterもFacebookもして欲しいところだけど、まあ良しとしましょうか」
ようやく納得してくれたジュリアンに双子はどっと疲れを感じ、脱力してソファーにへたりこんた。
その2人の前でジュリアンが「してやったり」と片唇を上げてほくそ笑んでいたのだが、双子が気付くことはなかった。
「で、三つ目のお知らせなんだけど――」
「「まだあるのっ!?」」
すでに疲労困憊な双子は、顔を上げてジュリアンに食って掛かる。
あまりの2人の迫力にジュリアンは「や、やぁねえ」とちょっとびくつく。
「三つ目は嬉しい報告よ? なんと、貴方達の『特強』入り、内定しました~」
「「ホント~~っ!!」」
ジュリアンのお知らせを聞いた途端、双子の表情は一気に明るいものとなる。
特別強化選手――略して特強。
スケ連から毎年補助金を貰える、素敵な特権。
といってもノービスの頃から強化選手Aだった双子は特強入りすることによって、今までの額より百万円多く貰えるようになるだけだが――。
「まあ、2017-2018年のだから、今年の4月末に発表されるそうよ。でもそれだけじゃ活動資金賄えないし、スポンサー募集始めたから」
ジュリアンはクリスからiPadを受け取ると、HPのINFORMATIONを開いて指差す。
そこには「スポンサー募集中」と書かれていた。
確かに今まで散々両親に活動資金を負担してもらってきたのだ。
スポンサーが見つかるならば、今まで払えていなかったコーチ代も払えるようになる。
「……スポンサー、来るといいね?」
クリスが妹を見つめてそう呟いたのに、ヴィヴィも同意した。