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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第70章          

 ヴィヴィは匠海の言葉の意味が咄嗟には分からず、一瞬きょとんと兄を見上げたが、

「だっ 駄目っ!! だって、まだお昼前だし、皆いるしっ!」

 そう強く反論したヴィヴィは、今度こそ必死に自分の膣を弄り続ける匠海の腕を掴み、引き抜こうとする。

 そんなヴィヴィの顎を指で強く掴んだ匠海が、ぐっと自分の方へと顔を向けさせた。

「は……? 自分だけ気持ち良くなっといて、それはないんじゃないか?」

「……――っ」

 ヴィヴィが目と鼻の先で目にした匠海の顔には、苛立ちが浮かんでいた。

 先程まで優しい微笑みを湛えていたその美しい顔が、今は醜く歪んでいる。

(う、そ……、『鞭』……だったんだ……、

 お兄ちゃん、優しいから、全然、気づかなかった……)

 当惑し、瞳を見開いて匠海を見上げてくるヴィヴィに、兄は静かに命令した。

「ほら、さっさと立ちなさい」

「……はい……」

 蛇ににらまれた蛙のように固まっていたヴィヴィは、ゆっくりと匠海の股の間から降りた。

 続いて立ち上がった匠海を見上げたヴィヴィに、兄はさらに命令してくる。

「ベッドに手を付いて、腰を突き出しなさい」

「…………はい」

 ベッドに向き直ったヴィヴィは、言われたとおりにそこに両手を付く。

(また、後ろからなんだ……。

 本当はお兄ちゃん、ヴィヴィの顔なんて見たくないんじゃ……)

 頭に浮かんだその不安を、ヴィヴィはぎゅっと瞼を閉じて頭の中から追いやる。

(『人形』になれ、ヴィヴィ。

 そうすれば嫌な事は何も感じないし、すぐに終わる……)

 ゆっくりとお尻を突き出したヴィヴィに、匠海は長い着物の裾を掴み、捲り上げた。

 その下の白い襦袢も捲り上げ、ヴィヴィの腰の上までたくし上げた匠海は、現れた白く小さなお尻と、長くまっすぐな脚を見つめ溜め息を付いた。

 はぁと零されたその吐息に、ヴィヴィの躰はびくりと震えたが、ぴったりと閉ざされた心は何も感じない。

 匠海は面倒臭そうにヴィヴィのお尻からショーツを剥ぎ取り、片脚だけ引き抜くと、すぐにヴィヴィの中に入ってきた。

「んんっ ふぁあ……っ あぁ……っ」

 潤いを湛えたヴィヴィの蜜壺は、押し広げながら入ってくる匠海の昂ぶりを、若干の苦しさを感じながらも受け入れた。

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