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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第70章
コンコンという静かなノック音が、静寂の下りた寝室に響いた。
「匠海様。お休みですか?」
次いで聞こえてきた五十嵐の声に、ヴィヴィははっと身を竦ませる。
「―――っ!?」
(う、そ……っ!? だ、から……っ、だから言ったのに――っ!
五十嵐、来ちゃうってっ!!)
ちゃんと自分は匠海にそう忠告したのに、なのに何でこんな抜き差しならない状態になっているのだと、ヴィヴィはもう頭の中がぐちゃぐちゃに混乱し、もう何もかもが信じられなかった。
ヴィヴィはばっと音を立て、自分を貫いたままの匠海を振り向いたが、その瞳は妹に注がれており、そこには動揺や焦燥の表情はまったく無い。
それどころかにっと嗤い、ヴィヴィの剥き出しのお尻をさわりと撫で上げ、口を開いた。
「いいや。少し横になっていただけだ。おとそ、飲みすぎたかな……」
そのあまりにも落ち着いた様子に、ヴィヴィの眉間が徐々に険しくなる。
(……お兄、ちゃん……?
お兄ちゃん……もしかして……)
「大丈夫ですか、匠海様……?」
五十嵐の気遣わしげな声に、匠海は苦笑し、
「大丈夫だ。どうかしたか?」
と尋ねながら、腰を突き出してきた。
「――っ!? ぅっ」
匠海の逞しいもので奥深くまで貫かれ、ヴィヴィの腰上で結ばれた紅色の帯が、びくびくと震える。
(お兄ちゃん……っ!? やめてっ 声、漏れちゃうっ!!)
ヴィヴィは上半身を乗せているベッドのシーツに縋り付き、そこに顔を埋めて必死に声を噛み殺す。
一度火が着けられた躰は、そう簡単には快楽の味を忘れてはくれない。
本当に嫌なのに、今すぐ止めて欲しいのに、ヴィヴィの蜜壺は深くまで咥えさせられたその陰茎の太さと長さに、喜び打ち震えていた。
(どうしよう……っ 気持ち、いいのっ 嫌、なのにっ
お兄ちゃんの、凄く、硬くて……っ もういやぁ……っ)
「旦那様がお呼びです。ライブラリーにお越しくださいませ」
五十嵐のその返事に、匠海はちらりと腕時計で時間を確認する。
「ああ、分かった。15分くらい後になると伝えておいてくれ」
「畏まりました。失礼いたします」
五十嵐のその返事が聞こえた直後、匠海はヴィヴィを突き上げ始めた。