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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第71章
「じゃあ、今日も自分で準備してごらん?」
ヴィヴィは一瞬、匠海が何と言ったのか、本当に聞こえなかった。
「……え……?」
「俺の前で、オナニーしてごらん?」
「………………」
「どうした? ほら、見ててやるから」
「………………」
「……早く、しなさい」
呆けたように匠海を見詰めていたヴィヴィが、その言葉にはっと覚醒する。
次に言われるであろう、口汚く罵られる言葉を聞きたくなく、ヴィヴィは小さく微笑んで唇を開いた。
「濡れてなくていいから、入れて? ヴィヴィ、早くお兄ちゃんを感じたい」
「それ……、俺も気持ち良くないんだけど?」
そう挑発するように言ってくる匠海に、ヴィヴィは微笑みを絶やさず提案する。
「じゃあ、この前の潤滑剤、使って?」
「ああ、あれはもう捨てた」
「……そう……」
困った様に眉尻を下げて微笑むヴィヴィの頭の中は、他に何か手立てがないかと、必死に探していた。
「しょうがないな……じゃあ、手伝ってやるから、おいで」
てっきり怒られると思っていたヴィヴィの目の前で、匠海はそう言うと、幾重にも重ねた羽枕の上に頭を乗せ、シーツの上に仰向けに躰を横たえた。
そして両手を前で拘束されたヴィヴィの腕を掴んで引っ張ると、自分の下半身のほうへ向けて跨らせ、その腰の上へと座らせた。
「お兄、ちゃん……?」
戸惑ったように兄を呼ぶヴィヴィに、匠海が後ろから命令する。
「ほら、俺ので気持ち良くなってごらん?」
ヴィヴィは跨らせられた腰のすぐ前、立派に立ち上がっている匠海の陰茎に視線を落とす。
「………………」
(昨晩、他の女を、愛したもの……)
匠海に背を向けたヴィヴィのその顔には、絶望の色しか浮かんでいなかった。
「なんだ? オナニーよりはましだろう?」
「うん……お兄ちゃんも、気持ちよくなって?」
ヴィヴィは甘ったるい声でそう言うと、両の掌でゆっくりとそれの形を確かめるように撫で摩る。
そして腰を上げると、自分の秘裂にぴたりと合わせてそのまま腰を下ろした。
匠海の腹筋と、ヴィヴィの秘めやかな場所の間に圧迫され、兄の陰茎はびくりと震えた。
ヴィヴィはゆっくりと腰を動かし、自分の大事な場所を兄の昂ぶりで擦り始める。