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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第71章
「ヴィクトリア、さっきから、俺の腕にツンツンしたものが触れるんだけれど、これは何?」
匠海の指摘通り、耳への愛撫だけで立ち上がったヴィヴィの胸の尖りは、先程から兄が抱きしめてくれる腕に擦れて、甘い痺れを呼び起こしていた。
「あんっ あ……っ ヴィヴィの……お胸っ はぅんっ」
「お胸じゃないだろう? ちゃんと言ってごらん?」
匠海がヴィヴィの耳元で、そう促してくる。
「は……、恥ずかしいっ」
「ヴィクトリア……? 言えたらそこも可愛がってあげるよ? もちろんお胸もね」
「ほん、と……?」
「ああ。ほら、言ってごらん?」
匠海はそう言うと、ふっくらとそそり立ったヴィヴィの小さな尖りに、微かに自分の腕を擦り付けた。
その途端、ヴィヴィの薄い唇から、微かな吐息が漏れる。
「あんっ ヴィヴィの……乳首……触って?」
「ああ、厭らしい子だ。これでいいかい?」
そう言うや否や、匠海はヴィヴィの乳首を、指先できゅうと抓りあげた。
「ひゃうぅっ!? やっ 強いのっ やぁっ!」
急に与えられた強すぎる刺激に、匠海の腕の中のヴィヴィの躰が、大きく痙攣する。
気持ち良いけれど、痛くて、変な汗をかきそうになる。
すぐに力を緩めてくれた匠海の胸に、脱力したヴィヴィの躰がぽすりと落ちてくる。
「ヴィクトリアは、優しく触られるほうが、濡れるんだったな?」
匠海はそう言うと、大きな両の掌で、妹の白くて小さな胸をすっぽりと覆った。
ヴィヴィの灰色の瞳が、自分の膨らみへと落される。
両手が藍色のネクタイで縛られたその下、自分が弱いそこを、兄の掌に柔らかく触れられているだけで、まるで守られているような気分になるのは、何故だろう。
「お兄ちゃんの手、気持ちいい……」
まるで自分の全てを委ねる様に、躰を弛緩させた妹に、匠海は添えた指を動かすことなくそのままでいた。
それがまるで、冷え切ってしまった妹に、自分の体温を分け与えてくれている様にも思えて、ヴィヴィはそれをもっと感じたくて、瞼を閉じた。
「……ヴィクトリア……、お前、眠いんじゃないのか?」
何故か今日の匠海は、『鞭』の日なのに、ヴィヴィの体調を気遣ってくる。
通常ならその優しさを嬉しく感じるが、常でない今、ヴィヴィはその優しさに当惑するのみ。