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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第71章
「大丈夫。お胸、触って……?」
そう言って縛られた両手で、自分の乳房に這わされた匠海の掌を、そっと上から押し付けた。
「どういう風に、触ってほしい?」
「……え……? 厭らしく……して……?」
匠海の質問に困ったヴィヴィは、兄が一番喜びそうな答えをしてみた。
「分かった」
その返事と同時に、匠海はヴィヴィの耳の後ろを舐め始めた。
ふよふよと掌全体で優しく揉み込まれる胸への愛撫とは対照的に、匠海の舌は、その全体を使ってヴィヴィの肌を味わうように舐めていたかと思うと、舌の先だけで、つつとヴィヴィの首から肩にかけての輪郭を辿る。
「ん……っ んんっ ふぅうんっ」
匠海の舌に翻弄されるヴィヴィの乳輪を、兄の指が辿り始めた。
くるりくるりと柔らかい人差し指の腹で、立ち上がった乳首の周りだけを可愛がられると、ヴィヴィの瞳が細められ、切なそうにその長い睫毛が震える。
「んふぅ……っ ふぅ……っ ふぁあっ」
ヴィヴィが上げる喘ぎを頼りに、匠海はその形のいい唇の表層だけで、妹の肌の上を辿り始めた。
右肩から右鎖骨へ、首の生え際を辿っていたその唇は、急に首筋の真ん中に吸い付いた。
「はうぅっ」
ヴィヴィの唇から切羽詰った声が漏れ、その顎が上がる。
匠海は乳輪を辿っていた手で、強く乳房全体を揉みしだきながら、舌でヴィヴィの背骨を上から下へと舐め始めた。
「ヴィクトリア……髪、掻き上げて」
欲情したような熱い吐息と共に兄に命令され、ヴィヴィは縛られた両手を左から後ろへと伸ばすと、背中を覆っていた自分の長い髪を、左肩のほうへと掻き上げて前へと垂らした。
「ああ、白くて、細くて、曲がったところひとつない、綺麗な背筋だ――」
そう賛辞の言葉を口にした匠海は、薄い皮膚の上から背骨の形を辿るように舐めていく。
くすぐったさと、背筋がぞくぞくする刺激と、その境目のような不思議な感覚に、ヴィヴィの上半身が無意識に逃れるように、前へと倒れていく。
けれどその両の乳房には匠海の掌が待ち構えているので、結局どこへも逃げ場がなく、ヴィヴィは前と後ろ両方からの愛撫に、背をのけ反らせた。