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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第71章
自分が兄を強姦して、匠海が渡英してから今日まで、きっと兄は何人もの女を抱いている筈。
けれど今まで、匠海の昂ぶりを受け入れることに、抵抗を感じたことなど、一度たりと無かったのに。
(もう……どうでもいいや……。そんなことより、
やらなきゃいけない事、考えなければならない事は沢山ある……)
ヴィヴィはタオルを放ると、空のバスタブの中に入り、シャワーのノブを捻った。
暖かい湯が降り注いでくる中、恐る恐る自分の膣の中に指を入れ、中のものを掻き出す。
自分の躰なのに、こういう風に指を入れて中をかき回すのは、何故か少し怖い。
自慰をしてしまった時は、そんな事を一切考えずに弄っていたのに、不思議だ。
白濁したものが排水溝へと吸い込まれていくのを見て、ヴィヴィはほっとする。
別にこれで避妊が出来ているとも思っていないし、ちゃんとピルも飲んでいる。
ただ、明日も早朝からリンクに行くため、後から溢れ出ない様にと思い、掻き出しているだけ。
「……はぁ……」
ヴィヴィはこれ見よがしに盛大な溜息を付くと、壁にその背中を預けた。
シャワーの湯が、誰も居ない所に降り注ぐのをぼうと見ながら、思考は違うところへ向かう。
『お兄ちゃん……ヴィヴィ、こんな事しなくても、逃げないよ?』
『いいんだこれは、俺が興奮するだけだから』
ヴィヴィは無意識に、自分の左手首を右手で掴む。
(ヴィヴィ、お兄ちゃんに、今まで何回、抱かれたんだろう……。
多分、15日位……?
もう、飽きられちゃったんだ……。
もう、ヴィヴィを普通に抱いてるだけじゃ、興奮、しないんだ……。
……怒らせちゃったし。
ヴィヴィは、お兄ちゃんの『人形』にさえ、なれないのかな……)
「………………」
そう後ろ向きな事を考えてしまった自分に気づき、ヴィヴィはぺちりと両手で自分の頬を叩く。
シャワーで躰を温めたヴィヴィは、バスタオルで水滴を拭き取ると、床に落としてしまっていたナイトウェアと掴み取り、頭から被った。
作り付けの棚からショーツを出そうと伸ばした手を、空中で止めたヴィヴィは、くるりときびすを返してバスルームから出た。