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第72章 　　 　　　　　　 　　

「ヴィヴィ、えっちなこと、言っちゃうよ？」

「聞きたい」

　そう返してきた匠海の昂ぶりが、ヴィヴィの柔らかな締め付けに、ぶるりと大きく震えた。

「え……どうしよう……」

　ヴィヴィは困ったように、小さく首を傾ける。

　しかし匠海の我慢も、そこまでだった。

「ヴィクトリア……、早く言ってっ　……てか、ワザとだろう？」

　そう焦った様に言い募る匠海に、ヴィヴィが噴き出す。

「ぷ……っ　うふふっ　お兄ちゃん？」

「なんだっ？」

　笑う妹に、匠海が苛立ったように短く返事する。

「可愛いっ」

「……――っ　お前――っ」

　絶句した匠海が声を荒げる前に、ヴィヴィはキスで兄の口を封じた。

　そして唇を離した途端、勢いよく次の言葉を口にした。

「ゆさゆさっ！」

「え……？」

　ヴィヴィの短いその擬音の意味が分からないのだろう、匠海の動きが止まる。

「……ゆさゆさ、して……？」

　次いでその薄い唇から洩れた甘い吐息のような囁きに、匠海がその顔を覗き込んでくる。

「ん？」

「ヴィヴィのこと、抱っこしながら、いっぱいゆさゆさ、して欲しい……っ」

（お兄ちゃんので、中、いっぱいなのに、ヴィヴィのここも、切ないの……）

　中から押し広げられて苦しいくらいなのに、なぜか胸がざわざわして、落ち着かなくて苦しい。

　ヴィヴィは潤み始めた瞳で、じっと匠海を見詰めて訴えた。

「ああっ　なんて、可愛いおねだりだ」

　匠海は息せき切ってそう言うと、ぐっと妹の細い腰を両手で掴んだ。

　自分の大きさに慣らす為、最初はゆっくりと膣粘膜をなぞる様に互いを擦り合せる。

「ぁ……っ　あんっ　おにいちゃっ　ぁあ……っ　ふぁあんっ」

　ゆっくり動かされることでより、より匠海の陰茎の長さが感じられ、ヴィヴィは自分を貫いている兄に徐々に興奮を高めていく。

「動き出した途端、蕩け始めたね。気持ちいいか？」

　匠海はそう妹の耳元で囁きながら、蜜壺を擦り上げる速度を速めていく。

「気持ちいいっ　お兄ちゃんっ　気持ち、いいの……っ　あっ　いいよぉ……」

　ヴィヴィは匠海の首に必死に縋り付くと、ぞわぞわと下から這い上がってくるような快感の波に、身悶える。

「ヴィクトリア、ほら、俺にキスして」

　ヴィヴィは匠海の求めるように、兄の唇に吸い付いた。