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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第72章
「ぁああんっ それっ やぁあんっ もっとっ」
その強い刺激に虜になったように、ヴィヴィが我を忘れて兄にねだる。
「ほら、ああ……、締まるっ」
(あっ それ、それが、欲しかったのっ ぁあんっ 凄いの、凄いの来ちゃうぅ……っ!)
「ひぅうっ!? あっ あぁっ イくイくイくっ イっちゃ―――っ ……っ!!」
気持ちいい後ろの奥を、ぐにぐに亀頭の先で捏ね繰り回されたヴィヴィは、咽喉を仰け反らせて果てた。
あまりの気持ちよさに、しばらく呆けていたヴィヴィだったが、やがて我に返り、徐々に青ざめ始めた。
(……う、そ……っ ヴィヴィ、なんて、はしたない事……っ)
「あ……っ ご……、ごめんなさいっ! ひ、一人でっ しかも……は、恥ずかしいっ」
匠海に胸を揉むことを強制し、挙句の果てには自分の良いところを突いてと頼み込んで、一人でイってしまうという、信じられない事をしでかしてしまった自分が、ヴィヴィは信じられなかった。
「なぜ謝る? 善がり狂うヴィクトリア、本当に可愛らしかった」
泣きだす一歩手前の妹を、そう言って胸の中に優しく抱きしめてくれた匠海を、ヴィヴィは縋る様な思いで見詰める。
「ほ、本当? あ、呆れてない……?」
『厭らしい子になったものだな。
ダッドもマムも、愛娘がここまで堕ちたと知ったら、悲しむだろうな』
昨日匠海に詰られた言葉が、脳裏を過ぎる。
また今日も同じことを言われたら、自分はおかしくなってしまうかもしれない。
「とても可愛いよ、ヴィクトリア……。お前は本当に、この部屋に閉じ込めて置きたいくらい、可愛らしいよ」
乱れた金色の髪を指先で櫛づけながら、自分を覗き込んできた兄の瞳がとても優しくて、ヴィヴィは言葉に詰まる。
「……――っ お兄ちゃんっ」
苦しそうにその名を呼べば、「そんな泣きそうな顔して。大丈夫だよ」と頭を撫でてもくれた。
その後、しばらくヴィヴィの気持ちが落ち着くまで、匠海はずっと「大丈夫」「可愛いよ」と慰めてくれた。
(何やってるんだろう、ヴィヴィ……。本当にお兄ちゃんが言うように、
どんどん厭らしい子になってる……)
まだヴィヴィの表情が曇っていると察知した匠海が、苦笑する。