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第6章 懐かしい匂い

硬結びになってしまったマスクを紐をゆっくりと俺は解き始める。
「慌てるな」と自分に言い聞かせ、紐を解く。

そんな頑固に結ばれた紐の相手をするのに、１－２分はかかっていただろうか。
ようやく紐が解けるかなという感触が手に伝わった時、近くから

「ドボンッ！！！」


という大きな水音がした。



この付近に池や川はないし、一体どこから？
俺は慌ててマスクを被ったまま立ち上がり、辺りを見回した。

「貯水槽だ……！」