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第6章 懐かしい匂い

俺は慌てて、貯水槽のほうへと走った。
貯水槽に近づき、本来あるはずのフェンスがないのに気づいた。
一体どうして……？

しかし、そんな事を考えている余裕はない。俺は貯水槽の梯子を上り、貯水槽のすぐそばまで来た。すると、そこには黒色のシャツにデニムという格好の男の子が呆然と立ち尽くしていた。



「何してる！？　君は誰か人を呼んで来るんだ、いいか？」

「で、でも……」

男の子は戸惑い、躊躇している。

「何してるんだ、お前がやらないでどうする。早く行け！」

俺は男の子の背中をポンと強めに叩き、無理やり人を呼びに行かせる。そしてすぐに貯水槽の中を覗き込んだ。