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第16章 黒き闇

そういって聞かない愛良に母親はしゃがみ込んで目を見つめると優しく伝えた。

「ねぇ愛良？」
「何？」
「黒野君が目を覚ましたときに埃まみれの今の愛良をみたらもっと心配するわ？お風呂に入ってきて？」
「…でも……」
「それにママ黒野君のパジャマ忘れて来ちゃったの。神山さんにお願いして明日、持ってきてくれないかしら？」
「…ゆーとの？」
「そう。黒野君も寝てるの。愛良もお風呂に入って、今夜はしっかり寝て、黒野君が目を覚ましたらいつもの愛良の笑った顔見せてあげて？そのための準備、してきてくれる？」

そう言われてようやく愛良は一旦屋敷に帰ることを決めた。