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第4章 欲しいの……

「しかし、アレだな。いくら美人で仕事ができたとしても、嫁さんにしたいタイプじゃねーよな」

「室長？　そりゃ、当然」

「でも、確か。結婚はされてたんじゃ……？」

「結婚してりゃ、いいってもんでもねーよ。旦那の身にもなってみろ。毎日残業で帰りは遅いから、当然のように家事は分担だぜ」

「だけど、今の夫婦なんて、どこもそんなものでしょ？　共働き多いし」

「だが、その上に管理職だぜ。責任のある立場だと、子供を産むにしたって色々と大変になる。あの人だって、もういい歳だろうに……」



　――コン、コン！


　そこまで聞いた私のドアをノックする右手に、思いの外力が籠っていた。