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エブリデイ
第4章 欲しいの……

 そんな時。すっかりその場から動けなくなっていた私の傍らを、小さな二つ足音が駆け抜けていった。

 姪っ子と甥っ子は、休憩所の中にその姿を見つけ一目散に飛びついてゆく。


「あ、いた! おじちゃん、遊んでよ!」

「あそんでー!」


 隣の義兄も「やれやれ」と思わずの表情を緩めた。二人の幼子は、優しい「おじちゃん」が大好きなのだ。


「うん、いいよー。何して遊ぶかな。でも、その前に約束だよ。ここは病気の人がいることろだから、静かに遊ばなくちゃいけないんだ。二人とも、できるかい?」


「うん。できる」

「できるー」



 そう返事をした二人を眺め、夫はとても楽しそうにしていた。


「……」


 そんな光景を見つめながら、私は自然に彼らの元に歩み寄ることがでにない。子供が好き。彼のその様な一面なんて、私だってとっくにわかっている。


 だけど……ううん、だから……?


 私は不意に言い様のない感情に苛まれ、行く場所を失ったようにお義父さんのいる病室に戻っていた。

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