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エブリデイ
第4章 欲しいの……

 そもそも取り巻く環境ばかりを気にしている私は、肝心なことを夫との間で話してはいなかった。否、それを避けていたのは、やはり自分の方だったのだろう。

 仕事は忙しくもあるが没頭すれば、またそこにはやりがいも生じた。まだ先、もう少し先。そうやって考えることを先延ばしにするのは簡単だったが、その間に自分も確実に年を重ねてゆくことになる。


 もう、今年で三十三になるの……ね。



「どうかしたの? 浮かない顔してるよ」


「え……うん。少し疲れたみたい」


 久しぶりに共に囲んだ食卓で、またしても私は誤魔化そうとしていた。彼は優しいから、それ以上無理に聞くような真似はしない。そう知った上で……。


 だけど、それでいいの? 抱え込むだけじゃ、なにも解決なんてしないわ。



「ねえ……ひとつ、正直に教えて」


「なあに?」


 不意に訊ねようとする私に、彼はキョトンとした顔をしていた。


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