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エブリデイ
第4章 欲しいの……
それからの数日は、わだかまりを抱えたままに何となく過ごしている。平静に装っていられたのは、それ以来、夫との会話を上辺だけのものに限っていたから。
結局、私は――まだきちんと向き合うことができなかった。自分から言い出しておきながら、彼には申し訳ないとも思う。
けれど――やはり、割り切れない想いを、私は誰かのせいにしたかったのだろう、か。
彼がその報せを受けていたのは、そんな時であった。
「えっ? 父さん、が……」
その電話を受けて、絶句してゆく彼の姿を見て――
「……」
私の心に生じた不安は、取りも直さず現実のものとなってしまった。