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エブリデイ
第4章 欲しいの……

 告別式が終わり。訪れていた参列者の方々が引き上げてゆくと、会場には近親の者たちだけが残されていった。

 やや呆然としている夫を、その傍らで私は気遣って言う。


「眞也さん……大丈夫?」


「あ、うん……なんかね、まだ実感が湧いてこないみたいなんだ」


「そうよ、ね……」


 遺影を仰ぎ見た彼の肩に、私はそっと手を携えた。それ以上の言葉は、見つけられずに……。

 そんな彼の元に駆け寄っていたのは、まだ幼い彼らであった。


「おじちゃん。わたし、わからなくて、おしえてほしいことがあるの」

「ぼくにも、おしえてー」


 仲の良い姪っ子と甥っ子は、彼の顔を見上げそんな風に言う。


「愛ちゃん、廉くん――一体、何を教えてほしいのかな?」


 彼がそう訊くと、言葉もなく顔を見合わせた二人。そうしてから今度は、代表するようにしてお姉ちゃんが、こんな風に訊くのだった。


「じーちゃんが死んじゃったら。愛たち、こんどはいつ、じーちゃんに会えるの?」


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