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エブリデイ
第4章 欲しいの……
彼は――とても柔らかな――微笑みを――浮かべた。
その刹那――それを見つめた、私は――
――――!
ハッとして、はたと気づいている。それは、いつの間にか置き去りにしていながら、当たり前のように常に私の想いの中心にあったもの……。
いつの間にか、難解な迷路のような壁を築くと、私はそこに立ち戻ることができなくなっていたのだ。
私は、この人が好き。
何を考えるにしても、先ずはそこから始めればよかったのだと、私はようやくそう思えている。
そして、私の中で――今の彼の笑顔が、お義父さんの笑顔と重なって見えていた。
例え自分が辛くとも、誰かを思いやることを止めない――その様な顔。