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エブリデイ
第4章 欲しいの……
そのままなし崩しに、抱き合ってしまいたい激しい欲求が生じていた。だけど、もう少し言葉を重ねたい気がして、私は彼を見上げて言う。
「ごめんね。やっぱり、違うのかも。ううん、少し前の私が、きっと違っていたの」
「それって?」
「上手く、説明なんてできない。でも、わかって。今の私――眞也さんが大好きな私が、本当の私だってこと……」
そんな風に一心に見つめた私を、彼は笑った。
「アハハ。やっぱり、少し変みたいだ。律子さんも、酔ってるんでしょ?」
その言葉に、わざと剥れてみせると――私はこう、彼に問う。
「ええ、酔ってますとも。でも、こんな私のことは――キライ?」
「まさか――」
おどけたような笑顔を、いつもの優しい笑顔に変えて――
「――大好きだよ」
彼はそう告げると、私の唇をそっと塞いだ。