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エブリデイ
第4章 欲しいの……

 まるで獲物を狙う獣みたいに、ベッドに四肢をついた私は――彼を、襲う。


 深く唇を重ねつつも、右手ではシャツをたくし上げた。

 決して暑くない滑らかな胸板に掌を滑らせ、其処で探り当てた小さな突起を指先で、ツンと刺激する。



「りっ……律子、さん……?」


「そのまま、楽にして……」


「だ、だけど……」



 普段なら私たち夫婦の情事は、彼の求めに私が応じる格好であった。

 だから、こんな風に破廉恥な私を、彼に見せることはなかったように思う。

 酩酊しながらも、彼が戸惑うのも無理はないのだ。


 それでも――今夜は、止まるつもりは、ないの、だから。



「貴方が、欲しいの……」



「えっ……?」



「ダメ?」



「……」



 無言で見つめた彼の瞳に、その中に生じかけた興奮を――私は見つけて。



 クス――



 と、悪戯な子供のように、私は――笑んだ。

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