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エブリデイ
第4章 欲しいの……
※ ※
それは、無論。
心の中の蟠りが解けたことが、全ての事象をクリアにする筈もないのだ。
取り巻く環境は常に、私に奉仕するものとはならない。
時に逆境となり、私の前に立ちはだかることもあった。
それ、でも――。
私たち夫婦が、共にそれを求めた時に。
それは、決して乗り越えられないものでは、なかった。
否、そう感じることができた私は、おそらく幸運なのだろう。
それでも、やはり――ようやく、と思い。
私はホッと密かに、この胸を撫で下ろしている。
望みがかなったのは――それより、二年後のことであった。