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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

「ほら――見なさい」


 口から喉の奥でその全てを受け止めていた木織は、思わず咽そうになるのを堪えながら、僕に言う。そうして――


 あ――ツツゥー。


「……」


 言われたままに僕は、黙ってその光景を眺めた。

 それを零さないように構えた両手の、合わせた掌の上に、なみなみと注がれゆく白濁の液体。まるで己の過ちを思い知らされるように、じっくりと時間を要しながら。

 木織の小さく開いた唇から、延々と繋がって垂れ下がり続けていった。そして、ようやく、その全てを掌に移し終えてから――


 じっ――と。僕を責めるように、見据えている。


「ご、ごめん……」


 視線を逸らしそう言う他に、どうすればいいのかわからなかった。


 その僕を木織だけが、更に見つめ。


「いつだって、言ってるでしょう」


 と、言う。

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