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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

 両親の離婚――。それを経験したのは調度、僕が小学生にあがる頃の話だった。

 まだ真新しかった新築の家には、母さんと僕が残り。大きな非を背負った父親は、一人そこから去って行った。


「元気でな……」


 僕の頭を撫で微笑んだ父親の心は、その顔と同じではないのだろうと、その時の僕は漠然と感じている。


 ともかく、そうして訪れていた新しい生活は、しかし――僕が中学生になる前に、再びその形を変えることとなった。


 すなわち、それは――母さんが再婚したことにより、僕の家に訪れた――新しい家族。


「よろしくね」


 と、やはり笑った見知らぬ叔父さん。それと――


「……」


 彼女はニコリともせずに只々、僕に向かって暗い眼差しを送ってる。


「……」


 即座に顔を背けた僕は、何かを感じ――たぶん彼女のことが怖かったのだと思う。そして程無く、その予感は悪い形で当たってしまった。


 僕の人生を最も大きく狂わせることとなる――それが、僕と義姉との邂逅となる。


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