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第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

　ガタン、ゴトン――電車は、揺れて走り。






「少し前――家の前で、見かけたの」



「見たって――誰、を？」



　その瞬間、少しだけ嫌な予感が奔り――そして。








「貴方の……義姉（ねえ）さん、だった人……」




　え……！






　ガタン、ゴトン――僕の心根をも、揺らす。