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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

「私……冗談じゃない……そう、思った」


「こ……おり?」



 それは強い言葉に聴こえた。木織の意志を感じた。

 だけど、何故――木織は?

 僕はそれを訪ねようとしたけど、その前に木織の言葉が続いた。


「『いずれ話をつけに行くから』――私は次いで――『その時は彼も一緒に』――そう言ってしまった」


「そ……それじゃあ?」


「違うの」


 木織は、首を横に。


「あの人を早く返したい、その一心だった。貴方に会わせてはいけないって、そう思っていたから……」


 そう言い終ってから、僕の顔をじっと見つめ。


「これは私の独り善がりなの。だから――一緒に来てくれなくても、いいんだよ」


 視線を合わせ瞬いた瞳が、揺らいでいた。


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