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エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく
金髪の女、その人、僕の元の義姉――なんて表現すればいいのか、それすらも僕は悩んでしまうけど、ともかく――。
彼女は薄く笑って、缶ビールを一口、それから――
「別にぃ、ウフフフ……寧ろラッキーだったんじゃないの、って思うけどねぇ」
過去を振り返るように宙を見つめ、そんなことを言った。
ラッキー……? 僕は当然のように、その部分が引っかかっていて――。
「どういう意味、ですか?」
そんな僕に変わるようにして、木織がそう訊ねてくれた。
すると、彼女はビールが少し回り始めたものか。愉しげに嬉々として話す。
「だって、そうじゃない? 男として、経験させてやったんだよ。しかもその手の興味が一番盛んであろうガキの時分にね」
「なっ……なんてこと……?」
思わず木織の肩がピクリとしているけど、彼女は構わずに更に下品に笑み「アンタとソイツと――」と口にしながら、木織と僕のことを順に指差してから――
「お前らだって、ヤリまくってんだろ?」
――と、言ってる。