この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エブリデイ
第5章 それは歪であるが故、何物にも代えがたく

 忘れる筈がなかった。

 夕陽を浴びても昔のようなキラキラとした光沢はなくて、角は寄れて描かれたイラストも擦れていたけれど、それは間違いなく僕たちが初めて会った時の――想い出の象徴。


 僕が木織にあげた――トレーディングカードだった。



「だけど……どうして、こんなものを?」


「悪かったわね、こんなもので」


「あ、いや……変な意味じゃなく」


 ツンと顔を背けた木織に、僕は焦るが。


「このカードは、私のお守りなの」


「お守り?」


「そう――受験の日とか、心配事や不安を感じる時は――いつだってこうして、身に着けていたのよ」


 そう、だったのか……。僕は電車の中で、胸元に手を当てる木織の姿を思い返していた。


「でも――どうして、そのカードなの?」


「それは、ね――」


 木織は少し遠くを見つめるように、そう至る想いを語り始めていた。
/254ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ