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エブリデイ
第2章 五度目の訪問

 空気に漂う熱に導かれながら、私の唇が――其処へ近づく。

 ――と。


「よ、よすんだ」


 その『行い』を制止しようと伸びる、彼の右手。


 私はそれを左手で受け止めると、しっかりと指を絡めてから、こう訊ねた。


「何故、ですか?」


「だって、君が、そんなこと」


 その彼の無用と思える労りが、私を加速させたのは間違いないのだろう。


「……」


 私は押し黙ったまま――しかし、その唇は俄かに開いてゆく。


 そして、そのまま――ゆっくり。


 彼の劣情の形を、口の最中へと――含み入れた。

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